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新医療広告ガイドライン【2018年6月開始】について

(2018年5月8日 22:47更新)


2018年6月より新医療広告ガイドラインがスタートします

昨年2017年6月に公布された医療法改正に伴い、そのルールに準拠した新医療広告ガイドラインが来月6月よりスタートする予定となっています。

 

厚生労働省の発表がとてもわかりにくく見落としている人が多いと思いますが、5月8日付けで厚労省HPで公表され、全国の地方自治体など関係する役所には通知があったようです。

 

新医療広告ガイドラインがいったいどのような内容で、具体的にどう対応すれば良いか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

 

公式情報は、厚生労働省HPをご参考下さい。

新医療広告ガイドライン等の通知について

 

1月の審議会で議論中の新医療広告ガイドライン(案)から、大きく変わった点としては、

体験談は「治療等の内容又は効果に関して」のみ禁止、と範囲が限定されたところです。

 

間もなく、6月スタートの新医療広告ガイドラインですが、医院HPで注意しておくべきポイントをおさらいしておいたいと思います。

 

新医療広告ガイドライン のまとめ

以下に、新広告ガイドラインの主なポイントを抜粋および要約してみましたのでご参照ください。

詳細は、厚労省HP 新医療広告ガイドラインPDFをご参考下さい。

 

第1 広告規制の趣旨

1 医療法の一部改正について

医療機関のウェブサイト等についても、他の広告媒体と同様に規制の対象とし、虚偽又は誇大等の表示を禁止し、是正命令や罰則等の対象とすることとなった。

ただし、HPなどについては、一定の条件の下に広告可能事項の限定を解除することとされた。

 

2 基本的な考え方
(2) 禁止される広告の基本的な考え方

(ⅰ) 比較優良広告
(ⅱ) 誇大広告
(ⅲ) 公序良俗に反する内容の広告
(ⅳ) 患者その他の者の主観又は伝聞に基づく体験談の広告
(ⅴ) 治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の
写真等の広告

(3) 広告可能な事項の基本的な考え方

「医業、歯科医業若しくは助産師の業務又は病院、診療所若しくは助産所に関して広告することができる事項」などにより限定される

 

第2 広告規制の対象範囲

1 広告の定義

① 患者の受診等を誘引する意図があること(誘引性)
② 医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可
能であること(特定性)

2 実質的に広告と判断されるもの

※ステルスマーケティングや間接的な手法も、広告費などの費用負担による依頼がある場合など実質的に①②に該当すれ広告規制の対象となる

4 医療に関する広告規制の対象者

医療関係者、広告関係者、アフィリエイター、一般人、患者など全てが対象

6 通常、医療に関する広告とは見なされないものの具体例

(1) 学術論文、学術発表等

(2) 新聞や雑誌等での記事

(3) 体験談、手記等
※個人や第三者によるもに限定される
※広告費を払っていたり、自らのHPに掲載しているものは広告とみなされ原則NG

(4) 院内掲示、院内で配布するパンフレット等

(5) 医療機関の職員募集に関する広告
※求人広告は、医院名が出ていても患者を誘引するものではないので、医療に関する広告に含まれない

 

第3 禁止される広告について

1 禁止の対象となる広告の内容

内容が虚偽にわたる広告は、罰則付きで禁じられている。

いわゆる比較優良広告、誇大広告の他、公序良俗に反する内容、体験談の広告

誤認させるおそれがある治療等の前後の写真等の広告が禁止

(1) 広告が可能とされていない事項の広告  ●●HPなど限定解除の対象●●

広告可能とされた事項を除いては原則、広告が禁じられている

【広告が禁止されている具体例】

・専門外来⇒保険診療や健診などの範囲で「糖尿病」、「花粉症」、「乳腺検査」等の治療に関する外来の表記はOK

・死亡率、術後生存率等

・標榜可能と定めれていない診療科目(歯科の場合は、歯科、矯正歯科、小児歯科、歯科口腔外科のみ可)

 

↓↓(2)以降はHPでも禁止される事項となります●●要チェック●●

(2) 内容が虚偽にわたる広告(虚偽広告)

⇒罰則付きで禁じられている!!

加工・修正した術前術後の写真等も虚偽広告の対象

(3) 他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告(比較優良広告)

「日本一」、「№1」、「最高」等の最上級の表現など

著名人との関連性の強調 「●有名人●も当院で治療を受けております。」など

(4) 誇大な広告(誇大広告)

 

手術や処置等の効果又は有効性を強調するものや科学的な根拠が乏しい情報などはNG

⇒医学的・科学的な根拠に乏しい文献やテレビの健康番組での紹介による治療や生活改善法等の紹介

⇒「○○の症状のある二人に一人が○○のリスクがあります」

⇒「○○手術は効果が高く、おすすめです。」

⇒根拠の乏しい情報の引用や、根拠の乏しい「比較的安全である」など

⇒「インプラントセンター」など公認されていない ●●センター などの誇張表記

など

(5) 患者等の主観に基づく体験談

【治療等の内容又は効果に関する】体験談は全て掲載禁止。

※広告(外部サイト)だけでなく医院HPへの掲載も今回禁止されます。

※ただし、禁止対象は、『治療等の内容又は効果に関して』に限定されているため、その他の内容についての感想や感謝の言葉などは規制されません。

 

(6) 治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等

患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等

※通常必要とされる治療内容、費用、主なリスク、副作用等に関する詳細な説明を付した場合はOK

⇒リンク先に情報掲載するなどの方法はNG。症例写真と併記してわかりやすくすること

※症例写真やイラストのみを示し、説明が不十分なものは不可

(7) 公序良俗に反する内容の広告
(8) その他

① 費用を強調した広告

② 提供される医療の内容とは直接関係ない事項による誘引

など

イ 他法令又は他法令に関する広告ガイドラインで禁止される内容の広告

① 医薬品医療機器等法

医薬品・医療機器等の名称・商品名や、効能・効果、性能等に関する虚偽・誇大広告が禁止されている

未承認の医薬品・医療機器について、その名称や、効能・効果、性能等についての広告やHP掲載は禁止

② 健康増進法(平成14 年法律第103 号)

③ 景表法

④ 不正競争防止法

 

第4 広告可能事項の限定解除の要件等

2 広告可能事項の限定解除の具体的な要件

① 患者等が自ら求めて入手する情報を表示するHPやこれに準じる広告であること

⇒バナー広告やリスティング広告をした場合は、①の要件をみなさないものとする

② 患者等が容易に照会ができるよう、問い合わせ先(電話やメール)を明示すること

③ 自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供すること

⇒標準的な金額、もしくは、通常必要とされる治療の最低金額から最高金額)などわかりやすくすること

④ 自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること

 

※限定解除で広告が可能となる範囲

【第3 禁止される広告について】 の『(1) 広告が可能とされていない事項の広告』

で定められているものが限定解除の対象となります。

※(2)~(8)の禁止項目は、限定解除されず、HPにおいても禁止となるので注意。

 

以上

 

まとめ(医院HPで気を付けるべき3つのポイント)

 

 

今回のルール改正で、医院HPで気を付けるべき主なポイントは3つ

 

①自費診療については、費用や主なリスク・副作用を掲載する

 

②「治療や効果に関する」患者さんの体験談や感想・口コミなどはHPに掲載しない

 

③症例写真には、治療内容・費用・リスクについて詳細を掲載する

 

になると思います。

6月1日から開始となりますので、お早めに対応、対策をするように心がけましょう。

 

 






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